子どもたちに「魂」、知立の松並木に「像」が夢

三河龍馬会信原理事長に聞く

 「東海道松並木に龍馬像を造りたい」―。幕末の志士・坂本龍馬の生きざまや考え方を多くの人に広めようと活動する元小学校教師で、NPO法人三河龍馬会の信原玲子理事長=西中町。現役教師時代から子どもたちに「龍馬魂」を伝え、今年も、臨時教員として勤める刈谷市内小学校の特別授業で、「コロナ禍で大変な時期だけど、心や夢までは自粛、萎縮させないで。龍馬のように諦めない心を持って」と呼び掛けました。龍馬の魅力や像の建立への思い、次世代を担う子どもたちに伝えたいことなどを聞きました。

【たくさんのグッズの前で語る信原理事長】

 ―龍馬に興味を持ったきっかけは。
 夫が息子に「龍馬」と命名したことで、司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』を読み、衝撃的な感動を受け、さまざまな本や資料を読み、グッズを集め始めました。龍馬さんの関わった場所へは、龍馬さんが行った季節に訪れて、その時の気持ちを感じてきます。
 ―本やグッズなどは何点ほどありますか。
 グッズ2000点、本や資料2000点ぐらいです。中でも、書籍『坂本龍馬全集』、特注のブーツ、精密に作られたレプリカのピストルが宝物です。 
 ―龍馬の魅力は。
 不可能を可能にするダイナミックさと発想力。敵を敵のままにしないすごさ。根回し、説得にたけている上に優しく、気配りができる。それでいて弱みを見せられる人間性。
 ―三河龍馬会とは。
 「全国龍馬社中」の188番目の会で、龍馬没後150年の平成29年に発足。三河の龍馬ファンと楽しみたいと思ったのが発足の動機。会では龍馬さんや西郷隆盛さんの子孫を招き話を伺いました。

【龍馬魂を伝える授業の様子】

 ―「龍馬像」建立はどのような思いで。
 龍馬さんは、剣術修行の時代から5回は東海道五十三次を通っているといわれていますが、東海道の沿線に龍馬像がないのは寂しい。龍馬さんには松並木が似合うので、ぜひ私の地元でもある〝池鯉鮒〟に建てたい。
 構想はあるのです。座った龍馬像の横にベンチを置き、いろんな方に龍馬さんに触れてもらいたい。今、一番の夢ですね。
 ―刈谷市内の小学校では「龍馬先生」と呼ばれているそうですね。子どもたちに何を伝えたいですか。
 龍馬さんの話をすると子どもたちの目が輝くんですよ。今の教科書では、龍馬さんのことが欄外に少し解説されているだけなのが残念です。
 子どもたちには、他人を思いやる優しさ、意見が違っていても排除しない、いいと思ったことはすぐ行動に移す、最後の最後まで諦めないなどの龍馬精神を身に付けてほしいと思います。知立市でも龍馬特別授業ができるとうれしいです。
 ―今後の目標は。
 龍馬会では年に3、4回意見交換や研究会を行いたい。龍馬魂を子どもだけでなくコロナ禍に生きる大人にも広め、みんなを元気付けたい。 

知立くらしのニュース2020.09.25掲載

関連記事一覧