高校生の作文で刈谷税務署長賞を受賞

刈谷北高校と刈谷高校の1年生4人

 国税庁が主催する「税に関する高校生の作文」で、刈谷北高校1年の原田梨瑚さん、刈谷高校1年の三宅鈴音さん、山本康陽さん、山田栞奈さんが刈谷税務署長賞を受賞しました。
 原田梨瑚さんの作文を紹介します。

【刈谷北高校の原田さんと刈谷税務署の澤田署長】

「私たちの暮らしと税金」

刈谷北高等学校 1年4組 原田梨瑚

「この教科書はこれからの日本を担う皆さんへの期待をこめ税金によって無償で支給されています。大切に使いましょう。」

 中学の新学期、渡される教科書の裏には全てこの一文が書かれていました。中学生の頃の私たちは、本当にこの一文の意味を理解し、教科書を使っていたのでしょうか。

 私たち高校生が税金と言われて思い浮かべるのは、やはり消費税です。所得税や住民税、固定資産税といったものはどこか大人の世界のようで、いまいち実感が湧きませんでした。そのため2019年10月から始まった消費税10%は、私たち中高生にとってはとても大きなものでした。100円のものを買うと10円、1000円のものを買うと100円、理屈ではわかってもいざ買うとなると、「もう少し安くならないのかなあ。」と毎回のように思っていました。

 そんなあるとき、インターネットでマララ・ユスフザイさんという方について知りました。マララさんはパキスタン出身の人権活動家で、女子教育の大切さを訴え続けている方です。そしてマララさんのおかげで世界での女子教育への注目が集まり、女子教育推進の気運が高まることとなりました。私はこの事実を知り、世界では教育を受けられない人が多くいて、私たちが当たり前のように享受している教育というものは貴重なものなのだと知ることが出来ました。そして、こういった教育を形づくる税金とは、とても大事なものなのだと再認識することとなりました。

 日本では消費税は10%でその他にも相続税や法人税などさまざまな税金が課せられています。一見私たちは搾取されるばかりで、なんの利益も得てないように感じるかもしれません。しかしこれはただお金を払っているだけというわけではないのです。こういった税金は教育や町の整備など別の形として還元されているということを、私たちは普段の生活の中で忘れがちです。よく思い返せば私の生活も、税金によって支えられていました。

 例えば、私は勉強する際にはよく市の図書館を利用しています。図書館には冷房が完備され、休憩時間には清掃員さんが掃除をしてくれています。図書館を運営するには多額の費用が必要ですが、私たちはこれらを全て無料で利用することができます。

 他にも今、私たちが直面しているコロナ禍でも税金は使われています。私たちが収めた税金により、希望した人が無料でワクチンを接種することが出来たり、昨年には全国民に一律に10万円が給付されました。どちらの政策もコロナ禍で不安を抱えていた私たちの生活の大きな助けとなってくれました。

 このように税金の使い道について考えることで、私も日頃から税金の恩恵にあずかっているのだと見つめ直すことが出来ました。周りのあらゆるものが税金によって作られていることを自覚し、感謝をしながら生活をしていくことが税について理解する第一歩だと強く感じました。

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