刈谷文化賞・功労者受賞者③

 創立45周年を迎えた刈谷文化協会は、文化発展に尽くした会員94人を表彰しました。刈谷文化賞は洋画の青山誠一さん=刈谷市熊野町=と端唄の藤本秀内まささん=同市野田町、文化功労賞は工芸の伊藤要さん=同市小垣江町=が受賞。各部門で活躍する文化奨励賞は37人、80歳以上の長老栄誉賞は54人が選ばれました。

【作品がずらりと並ぶ自宅の工房に立つ伊藤さん】

文化振興の発展に尽力

工芸 伊藤要さん

 自宅に陶芸の工房とガス窯を構え、作品制作に精を出す日々。その傍ら、刈谷文化協会の副理事長や会計、美術部門長などの要職を歴任し、2008年からは工芸部会長。そうした長年の功績が認められ、刈谷文化功労賞を受賞。「文化発展や協会会員の皆さんの文化活動を支援するため、今後もできる限り頑張って協力していきたい」と話します。
 1949年生まれ。陶芸との出合いは20代半ば、勤務先のデンソー美術部に入ったことがきっかけでした。「最初は油絵を描いていましたが、能力がないなと。それで陶芸に。お皿とか、花瓶とか、陶芸作品って実用的でしょ。それもよかった」
 陶人形は代表作の一つ。どっしりとした下半身をデフォルメした人形は愛きょうたっぷり。美術展などに出品し、来場者らの注目を集めてきました。
 同協会には95年に入会。実直な性格で信頼も厚く、2015年には西三河文協美術展の推進委員長として力を発揮しました。課題は高齢化といい、新規会員の獲得に尽力します。「文協に入るメリットの一つは、展示会などを通じて自分の作品を見つめ直す機会が得られること。そして、さまざまな分野の方とつながりができることも素晴らしいことだと実感しています」
 三河陶芸協会の会長も務めており、今後も地域の陶芸文化の振興に力を注ぎます。

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