『三河国八橋』語り継ぐ

八橋旧跡保存会が冊子作成

【完成した冊子を手にする平澤会長】

 八橋かきつばた園でカキツバタの花の手入れをする「八橋旧跡保存会」が、「業平とカキツバタと八橋」の関係を絶やさないようにと「かきつばたの名勝地『三河国八橋』」と題した冊子を、新たに作りました。
 4月25日から開催予定の「史跡八橋かきつばたまつり」に合わせて2000部作成。平澤信幸会長は「多くの人に八橋の史跡や歴史に触れてもらえれば」と話します。
 伊勢物語第九段「東下り」の中で、平安の歌人在原業平が「かきつばた」の5文字を句頭にして詠んだといわれる八橋のカキツバタ。今も、地元住民でカキツバタの存続を守っています。
 平成2年に刊行したものに、さらに調べて加筆し、カラー写真を添えました。分かりやすい言葉を使い、大きめの文字にし、子どもも読めるよう振り仮名も。八橋を訪れた歌人や俳人、画家の作品や歌碑、かきつばた園を再興した八橋売茶翁、業平伝説が残る史跡、町内の3つの寺院などを紹介しています。
 地元の来迎寺小や竜北中には50部ずつ寄贈する予定。
A5判28㌻、カキツバタの育成協力金として1冊300円。まつり会場で配布します。

【苗植えをする会員たち】

カキツバタ祭りに向け庭園整備に励む

 八橋旧跡保存会は、4月25日から始まる「史跡八橋かきつばたまつり」に向けてカキツバタの苗植えや清掃など、庭園の手入れに励んでいます=写真。
 2月27日は、山門前の2つの池にカキツバタの苗を約1000株補植。事前に土を入れ替え、田の土に赤玉土を混ぜ合わせるなどの土壌改良工事も行いました。
 この日は会員30人が、株の根を一つ一つ丁寧にほぐしながら植える作業をし、平澤信幸会長は「これからの気温で決まるが、芽が出てきているので例年通り咲くのでは」と期待を寄せます。同まつりは5月20日まで。

知立くらしのニュース2021.03.26掲載

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