家族葬など簡素化加速

コロナ禍での挑戦
前嶋商店 かきつばた会館

粛々と今まで通り

【席数を減らすなど、感染対策を万全にしているかきつばた会館】

 「亡くなった方を、尊厳を持ってお送りするのはこれまで通りです」と、創業105年の葬儀店を営む前嶋伸一代表。新型コロナウイルス感染防止対策は第1波の時から。山町のかきつばた会館は、150人ほど収容できる会場ですが、席数を減らして40席に。飛沫防止パネルや空気清浄機の他、二酸化炭素濃度測定器も設置し、濃度が上がるとすぐに扉を開けて換気。精度の良い体温計で弔問客が密にならないよう検温もスムーズに行っています。
 「最近は、補助金の対象で感染防止用品の充実が図れます」と、胸をなで下ろす一面も。
 「ただ、コロナ禍でお客さまの意識が変わってきました」。元々、100人ほどの〝小さな葬儀〟を得意としてきましたが、現在は、ほとんどが20人ほどの家族葬となり売り上げが激減。
 「コロナの前から葬儀にお金をかけない傾向でしたが、それでも50~80人程度の家族葬でした。今は、身内でも遠方だといらっしゃらない場合が多く、本当に少人数の葬儀が増えています」
 そんな中でも、知人にも見送ってもらいたいという要望には、早い段階から「2部制」という形で応え、「1部はご友人、2部は親族にお参りしていただき、滞在時間を短くして、皆さんに少しでも安心していただけるよう工夫しています」と新たな葬儀の形も提案しています。
 「こんな状況がいつまで続くのかなあと思う毎日ですよ。今は、粛々といつも通り丁寧にご遺族に寄り添い、続けていくだけです」

知立くらしのニュース2021.9.10掲載

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