ミラクルな星  -1-

【鏡(ミラー)を見るクジラ。
ここにも〝ミラ〟が】

 秋の星座、くじら座に不思議な星があります。2等星~10等星まで明るさを変える変光星です。1600年ごろに歴史上はじめて発見された変光星で、ラテン語で「不思議なもの」を表す言葉から「ミラ」と名付けられました。

 くじら座は全天で4番目に大きな星座ですが、一番明るい星が2等星ひとつで目立たない星座です。星座絵を当ててみると、ちょうどクジラの心臓の位置にミラがあって、明るくなったり、暗くなったり脈を打っているかのようです。

 くじら座は紀元前の古代から知られている星座です。明るい星もないこの夜空にクジラを描いた古代の人々、しかもその心臓が脈打っているとは…。古代人の観察力と創造力には驚くばかりです。

絵・文/安城天文同好会

(安城ホームニュース 2017.10.14 掲載)

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