知立のからくり伝え半世紀

保存会名誉会長 坂田さんが教育文化功労者県表彰

【林郁夫市長に受賞を報告した坂田さん㊧】

 知立からくり保存会名誉会長の坂田盛彦さん(80)が「教育文化功労者」として県表彰を受けました。
 知立まつりで山車文楽とともに観客を魅了する知立のからくりは、360年余の歴史があり、地元住民に受け継がれています。浄瑠璃に合わせて数体の人形をからくり仕掛けで操るのが特徴で、演目は「一の谷合戦」と、2010年に復元された「平治合戦」。1990年に国の重要無形民俗文化財、2016年にユネスコ無形文化遺産に登録され、国内だけでなく、イタリアやオーストラリアなどでも公演してきました。
 坂田さんは保存会会長だった父信次さんから人形修理を頼まれ、手伝ったのをきっかけに27歳の時に加入。人形やからくりの装置などの修理も継承し、1999年から20年間、会長を務めました。16(大正5)年以降演じられなかった「平治合戦」の復活上演は「親子2代の夢だった」と振り返ります。
 メンバーと毎年、知立小でからくり体験教室を開き、地元の子どもらにも伝統芸能を伝える坂田さん。「大勢でわいわい人形を操るのは楽しいから、苦労はあったけど、やめたいと思ったことは一度もない。これからも継承されていくことを願っている」と話します。

知立くらしのニュース2022.1.28掲載

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