ペット連れて避難して 愛知県刈谷市で同行訓練
ペットを連れて避難して―。愛知県刈谷市は初めての「ペット同行避難訓練」を1月19日、衣浦小学校で開催しました。同行避難は過去の災害でも課題が指摘されており、市は県の「ペット同行避難対策導入支援事業」に応募。訓練は、西三河地区唯一の実証実験として行いました。
訓練には、市内元刈谷地区自主防災会やペット連れの住民など約60人が参加。市が作成したミッションカードに基づき進められ、同行避難者への案内掲示や登録台帳の作成などを実施。自転車置き場をブルーシートで囲い毛布を敷いて「飼育スペース」を作り、ケージに入った猫やリードにつないだ犬を受け入れるといった手順を実践しました。
「透明なシートを使えば、飼い主も他の避難者も安心感が増す」「飼い主以外が触ったり、餌を与えたりしないよう、協力を呼びかける看板がほしい」と、参加者たちから改善案が挙げられ、排泄物の処理法やペットをつなぐ位置など数々の課題についても意見が交わされました。
訓練後の講話では、横山祐介獣医師=高津波町=が「避難勧告が発令されたら、ちゅうちょせずペットを連れて避難を」とアドバイス。「ペットだけ家に残すのは、飼い主の心理的負担に。日頃から一緒に行動できる準備を」と呼びかけました。
愛猫と参加した女子児童(同小4年)は、「普段からリードを付けて外に出る練習をしている。ケージの中でも落ち着いて座っていた」と安心した様子。同自主防災会の宮田公裕会長は「参加者からの声を参考にマニュアルをブラッシュアップして、備えを強化したい」と話していました。
