歌集『巡見橋の朝焼け』出版 刈谷市の清水さん
『胸底に眠る思ひ出ひとつづつ取り出し仕舞ふかくて晩年』
愛知県刈谷市の主婦、清水久子さん(81)が、日々の心模様を31音にしたためた第一歌集『巡見橋の朝焼け』(ながらみ書房)を自費出版しました。
「いつからか、〝短歌は自分史〟と思うようになった」と語る清水さん。40代後半から80代に差しかかった頃までを詠んだ577首を歌集に収めました。
遠距離通勤をする夫を支えた妻としての思い、息子たちの成長や、新しく迎えた家族たちを見守る母としての温かな心、ボランティア活動などを通して社会とつながる生きがいなど、32年間の清水さんの生きざまが詰まっています。
36年前に地元で開かれた市民講座をきっかけに、刈谷文化協会短歌部で故小嶋七郎さんらに学び、短歌結社「水甕社」にも参加。「欠詠しない」という、師との約束を守り毎月9首を、水甕社へ投歌し続けています。
「歌を作ることで前向きになれる」と清水さん。「日常の何気ない瞬間に目を凝らし、心の中から湧き出る言葉を歌にする苦しささえも楽しんでいます」
『巡見橋の朝焼け』は四六判、248ページの上製カバー装で、定価は2860円。
