知立の歴史ぶらり探訪・翁のいざない

第12話(後編) 映画全盛時代

  続いて私的〈名画ベスト6/洋画部門〉をご紹介しましょう。『第三の男』(リード監督)、『過去をもつ愛情』『ヘッドライト』(ベルヌイユ監督)、『ローマの休日』(ワイラー監督)、『太陽がいっぱい』(クレマン監督)、『エデンの東』(カザン監督)の名作オンパレード、皆さま方のベスト6は?
 青春時代の多くを映画館の暗闇で過ごした一人ですが、映画は大人になるための教科書。今でも思い出す名場面は『生きる』のラストシーン、主役の老課長がブランコに揺られながら「ゴンドラの唄」を口ずさむ場面では涙が止まりませんでした。もう一つは『過去をもつ愛情』の主人公がリスボンのファド酒場で出会うシーン、フランス映画らしい粋な設定に酔いしれたものです。
 知立の町から映画館の明かりが消えても、名画は人生行路を照らす永遠の灯火(ともしび)。さあ、思い出を抱きしめながら〝知立のブロードウェー〟を歩いてみませんか。

 (坂之上九門)

【昭和30年頃の〝知立のブロードウェー〟(中山町)】

(知立くらしのニュース 2013.4.6 掲載)

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