パティオ池鯉鮒20周年でオリジナル演目

八橋舞台の恋物語を語りと文楽で披露

【『おさき玉城恋の八橋』の一場面】

 知立の山車文楽新作プロジェクト「立体パノラマ絵草紙『おさき玉城恋の八橋』」が8月22、23の両日、パティオ池鯉鮒で上演されました。
 知立市制50周年・知立市文化会館(パティオ池鯉鮒)開館20周年記念事業。琉球王朝の宮廷音楽楽器「長線」が現存する八橋町の無量壽寺を舞台に、長線の由来や琉球と知立のつながりを淡い恋物語とともに披露しました。
 物語を作ったのは知立市義太夫会会長の板倉ミチさん。5年前、同寺で長線に出合い、沖縄の琉球文化を訪ねた際に誕生しました。開館当初から自主制作事業の演出を手掛けてきた木村繁さんが劇化。八橋の歴史を踏まえ同寺を再興した「八橋売茶翁」も登場するオリジナル舞台を作り上げました。
 全3段で構成。1、2段は劇団「前進座」と人形劇団「むすび座」、市民も参加している群読が古典の語りで物語を進め、3段を文楽で演じました。
 人形浄瑠璃「文楽座」の人形遣い豊松清十郎さんが企画から加わり、義太夫節を同座の野澤勝平さんが作曲・指導を担いました。
 知立市義太夫会・知立山車文楽保存会の約30人が出演。大詰めの場面の語りを担当した板倉さんは「必死になってやりました。皆さんに助けられてこんなに立派な舞台になり幸せです」。売茶翁の主遣いを務めた野村裕之さんは「オリジナルの演目を作ることは珍しいこと。みんなが誇れる演目にし、後世に伝わる作品にしていきたい」と期待を寄せます。
 同演目は、今後3年かけて全ての段を文楽で上演できるよう作り上げていきます。 

知立くらしのニュース2020.09.25掲載

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