今年こそ見に行こう 知立神社 秋葉まつり
噴き上がる手筒の火柱
愛知県知立市で260年以上の歴史を持つと伝わる「秋葉まつり」が9月21日、知立神社で開催されます。市内6町(山町、山屋敷町、中新町、本町、西町、宝町)の住民が参加して、昼と夜で趣の異なるまつりを繰り広げます。
同まつり全体を取りまとめる当番町の中新町祭礼惣代・間瀬重孝さんは「住民が受け継いできた神事。ぜひ生で見てほしい」と来場を呼びかけています。
昼間は若衆たちが3人一組となって、竹札を入れた「重さ100㌔を超える玉箱」を担ぎ、長持唄に合わせて跳びはねながら各町内を練り歩きます。
中新町の「年行司」を務める篠村芳樹さん(31)は「箱の中の竹がぶつかり響き渡る“ガシャンガシャン”という音と担ぎ手の熱気が、町を活気づける」と言い、「先輩から口伝えで覚える長持唄は、町や歌い手によって節回しや抑揚が異なります。長年受け継がれてきた文化の深みを感じてほしい」と話します。
日没を迎えるころ若衆たちは、高さ10㍍ほどの「高張提灯」を掲げ、年行司を先頭に、同神社へ宮入り。午後7時から順に、手筒花火の奉納が鳥居前の広場で始まります。
各町の若衆約10人が、火薬を詰めた竹筒を手に円陣を組み、一斉に点火。ごう音とともに炎が7㍍以上にも噴き上がり、秋の夜空を照らします。
同じく中新町年行司の近藤勇斗さん(30)は「祖父に憧れ、このまつりに参加するために刈谷から引っ越してきた。継承者としての責任と誇り、年代を超えた人とのつながりを、次の世代にも伝えていきたい」と話します。


