知立の歴史ぶらり探訪・翁のいざない

第27話(後編)白象、池鯉鮒宿に一泊

 4月26日、象の大行列は京都に到着。京都御所で中御門(なかみかど)天皇・霊元(れいげん)法皇に拝謁(はいえつ)することになったのですが、ここで大問題が発生。当時のしきたりによれば、宮中に参内するのには位階が必要だったのです。
 一説よれば、遠来の象に授けられたのが「広南従四位白象」。『忠臣蔵』でおなじみの吉良上野介が従四位、浅野内匠頭が従五位ですから別格の扱いだったことが分かりますね。
 いよいよ5月5日、待ちに待った「広南従四位白象」が池鯉鮒宿へ巨体を現したのです! 
 象使いはベトナム人の2名(名前はタンヨー、ヒヨメン)。象小屋は本陣に作られ、警護のために足軽18人が配置されたといいます。また6日には、警護の足軽が増員されて38人。街道は清掃が徹底され、1丁ごとに(みず)(おけ)が用意されて、番人までが付いていたとのこと。
 宿場の人たちは、「広南従四位白象」をどんな思いで見送ったのでしょうか?

(坂之上九門)

【松並木を通り池鯉鮒宿に向かう白象。(筆者が想像で描いた絵)】

(知立くらしのニュース 2015.10.17 掲載)

関連記事一覧