知立のキングコングが消えた!

まちの人気者「知立のキングコング」が山へお引っ越し!?

向った先は…弘法山 遍照院 

 “建物にぶら下がった姿”で有名だった巨大オブジェ「知立のキングコング」が、この秋そっと新天地へと旅立ちました。
向かった先は――知立市・弘法山 遍照院。


山門をくぐり本堂へ向かうと、右手。手水舎と太子茶屋との間に、堂々とその姿を現しています。
高さ約4メートル、重さは推定300キロ。
近くで見ると、想像以上の迫力! けれど顔はにっこり。愛嬌たっぷりの表情に、見る人も思わず笑顔がこぼれます。

誕生から41年
 「知立のキングコング」が生まれたのは41年前の1984年11月。


愛知県知立市新林町でリフォームや家電設置を手がける「チコム知立」のオープンに伴い、社屋の壁面に取り付けられました。
当時の鎌塚社長(現会長)は、映画で人気だった『キングコング』に着想。「体は筋肉隆々と力強く、でも顔はにっこりしていないといかん!」とこだわりを持ってオーダーしたそうです。素材には航空宇宙分野でも使われるFRPを使用。軽量なのに頑丈という“ハイテク”仕様です。
 以来、40年以上にわたって“町のシンボル”として親しまれ、道案内でも「キングコングのある道を過ぎてもう少し行くと…」と使われるほどの存在に。

▶そしてお引っ越し
 店舗移転に伴い、コングも一緒にお引っ越し。
11月20日、ビルから慎重に切り離し、トラックに載せて遍照院へ運ばれました。
作業当日にはスマホ片手の見物客が訪れました。
普段は“背中だけ”しか見えなかったため、地上へ下ろされると、
「えっ、こんなに大きかったの?」
「へぇ~、こんな顔してたんだ!」
と驚きの声が。近所の70代男性は「毎日マンションの窓から見ていたから、いなくなるのはちょっと寂しいね」と名残惜しそうに話していました。

<取り外し作業中①>
<取り外し作業中②>
<今では見られないコングのお尻>
<トラックに乗って遍照院へ向かうコング>

▶新天地でも人気者に
 鎌塚会長は
「これまでたくさんの方にかわいがっていただいた。遍照院への移動中も多く人に見守られ、無事たどり着けた」と感謝し「遍照院へ送り出し、すがすがしい気持ちです。場所は変わっても、これからも愛される存在になれば」と笑みを浮かべ話していました。

<41年連れ添ったコングを見上げる鎌塚会長>
<コングが去ったビル>

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