震災絵本 増刷して小中学校へ

刈谷市の石川さんらが寄贈

【絵本を手にする市川さん、石川さん、加納さん(左から)】

 命の大切さを伝えたい―。刈谷市の石川末子さんと愛知教育大学出身で蒲郡の大塚小学校で教員を務める市川真基さん、同大の加納誠司教授が16日、刈谷市に東日本大震災を題材にした小田太郎さんの絵本「ひとりじゃないよ」を60冊寄贈しました。
 作者の小田さんは2018年に29歳の若さで亡くなった蒲郡出身の元小学校教諭。石巻市で復興支援ボランティアをした際、家族を失った女性の体験談を聞いて絵本を作成しました。今年3月11日、市川さんが道徳の授業で小田さんの絵本を使用。その様子をHHKが報じ、感動した石川さんが個人負担で絵本300冊の増刷を願い出ました。
 石川さんと市川さんは市民グループ「刈谷防災ボランティア」の活動を通じて数年来の知人。作者の小田さんも同大出身であることから、加納教授が寄贈の準備などをサポートしました。
 刈谷市役所で金原宏教育長に絵本を手渡した石川さんは「たくさんの児童に読んでもらいたい。小田さんをはじめ、震災で亡くなった人たちの供養になれば」と話していました。
 絵本は、刈谷市内の全小中学校と特別支援学校に配られました。

(刈谷ホームニュース2021.8.27掲載)

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