刈谷文化賞・功労者受賞者②

 創立45周年を迎えた刈谷文化協会は、文化発展に尽くした会員94人を表彰しました。刈谷文化賞は洋画の青山誠一さん=刈谷市熊野町=と端唄の藤本秀内まささん=同市野田町、文化功労賞は工芸の伊藤要さん=同市小垣江町=が受賞。各部門で活躍する文化奨励賞は37人、80歳以上の長老栄誉賞は54人が選ばれました。

【三味線を弾き、端唄を歌う藤本さん】

粋な世界 情緒豊かに

端唄 藤本秀内まささん

 「粋な世界に憧れて、端唄を始めて50年余り。勉強、勉強の毎日でした。これからもこの道を楽しみ追求しつつ、後進の育成にも力を注いでいきたい」
 藤本流の総師範。藤本会の会主として、中日劇場や名古屋能楽堂など、さまざまな場で生徒らとともに情緒豊かな歌声を響かせてきました。
 刈谷文化協会に2000年に入会し、約20年にわたって端唄部会長を務めています。芸事には厳しくも明るく朗らかな性格。率先垂範し、リーダーシップを発揮してきました。
 もともとピアノをたしなみ、端唄を始める前から音楽の素養がありました。「最初は小唄から入り、やがて端唄へ。お座敷調の柔らかさと色っぽさに引かれました」。発表会では自ら三味線を弾き、「奴さん」や「大江戸日本橋」などの端唄を歌い上げます。
 「お客さまには端唄だけでなく、ステージ全体を楽しんでもらいたい」と、演出にもこだわってきました。舞台美術をはじめ、シンセサイザーを取り入れた演奏会を開くなど、常に新しいことにチャレンジ。野田地区芸能大会で審査員を務め、病院への慰問活動も長く続けてきました。
 今回の刈谷文化賞の受賞に「うれしい」とにっこり。「今後の活動は指導が中心になるでしょう。生徒の皆さんが自信を持って堂々と舞台に出られるよう、しっかりと伝えていきたい」

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