石仏 10年ぶりに里帰り

岡崎市細川町 矢作川の渡し場跡に

【石仏の前で経をあげる蓮性院の宏誉前住職】

 岡崎市細川町にある矢作川の渡し場跡に、10年ほど前まで置かれていた石仏がこのほど、元の位置に戻されました。同町の蓮性院で保管されていましたが、地主や郷土史家の中根洋治さんらの協力で〝里帰り〟が実現しました。

 中根さんによると、石仏は渡し場跡に建つ民家の一角にありましたが、同院が一時的に預かることになりました。今年6月、渡し場跡にカフェ「カメッツァ」がオープンする際、中根さんがオーナーの成田広光さんや同院などに石仏を元の場所に戻すことを提案しました。

 石仏は高さ約88cm、幅43cmの薬師如来像。真福寺に続く「やくし道」と呼ばれる古道沿いにある「渡し場跡 分一番所跡」と刻まれた銘版の横に安置されました。11月9日、同院前住職の宏誉さんが現地で経をあげ、関係者らが祝いました。

 「渡し場だったということから、事故で亡くなった方もおられたでしょう。今後また、この地で市民の安全をお守りしていただけたら」と宏誉前住職。中根さんは「やっと元の場所に戻り、一安心です。ここにかつて渡し場があったことを、皆さんが知るきっかけにもなればうれしい」と話していました。

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