世界の頂点へ ボードゲームデザイナー 林尚志さん

 ボードゲーム界で“世界最高峰”と称される「ドイツ年間ゲーム大賞2025」に、愛知県知立市出身のボードゲームデザイナー・林尚志さん(49、横浜市在住)が制作した『ボムバスターズ』が選ばれました。日本人初の快挙。今年7月、ドイツ・ベルリンで開かれた授賞式で栄冠に輝きました。

全員で爆弾解除に挑む『ボムバスターズ』

「30年間憧れ続けた賞。人生の目標だった」と言う林さん。「ノミネートされただけでも舞い上がっていたのに壇上に立てるとは」と、感慨深く語ります。


 『ボムバスターズ』は、プレーヤー全員が爆弾処理班の一員となり、全員で爆弾の解除に挑む“協力型”ボードゲーム。「誰かが勝つ」のではなく「みんなで勝つ」ことがポイントです。
 制作は2020年春にスタート。同年秋、国内のゲームマーケットへの出品をきっかけにフランスのゲーム会社とライセンス契約を結び、24年に世界進出を果たしました。
 作品は「ボン!」といったかわいらしい爆発音やかけ声など、暴力や犯罪を感じさせない“ファンシーな世界観”と、回を重ねるごとに追加される60以上のミッションで何度やっても飽きさせない魅力が、多くのファンの心をつかんでいます。
 林さんは、竜北中学校の出身。大学時代にボードゲーム制作を始め、大手ゲーム会社での勤務を経て、14年に独立。自身のブランド名「OKAZU brand」で、毎年4〜6作品を発表し続けてきました。


 10月以降、ゲームのパッケージには(大賞受賞を記す)“赤ポーン”を表示して発売。
 林さんは「自作ゲームに赤ポーンを付けるのが夢でした。次はエキスパート大賞の“黒ポーン”を目指します」と、静かに意欲を燃やしています。

【林尚志さんと制作に関わった妻の良子さん】
【大賞の証の赤ポーン(左端)】

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