愛知県知立市の 米蔵家が農水大臣賞
米を預かる新発想
顧客がまとめて購入した米を保管する「ストックヤードシステム」など、独自の取り組みを続ける米穀店「米蔵家」(山本恒久代表)=愛知県知立市牛田=が2月、「令和7年度優良経営食料品小売店等表彰」で最高賞の農林水産大臣賞を受賞しました。
山本さん(59)は、会社員を経て22歳で米穀店に就職し、2008年に独立。会社員時代に身に付けた「改善」と「創意工夫」を生かし、「常においしい米を届けたい」と試行錯誤を重ねてきました。
コーヒーチケットの仕組みから着想を得て考案したのが「ストックヤードシステム」です。顧客が30㌔の米を割引価格でまとめて購入し、必要な分だけその都度精米して受け取る仕組みで、手書きの顧客情報をデータ化して管理。仕入れ量を把握し、品質管理の厳しい問屋からその都度買い入れて、在庫を抱えず新鮮な米を提供する体制を築きました。
受け渡しには、ID番号を入力するだけで受け取れる簡易ロッカーを設置。店頭で会話を楽しむ常連客がいる一方、受け取りを素早く済ませたい人もいることに気づき、多様なニーズに応える工夫を重ねています。
「令和の米騒動」では仕入れ値が売値を大きく上回る非常事態に。顧客への返金や銘柄変更という選択肢もありましたが、「それだけはしたくない」と、築いてきた店の信用を守り抜いた山本さん。
「創業時から地元の仲間に支えられてきました。妻には苦労をかけましたね」
米一筋37年。山本さんの挑戦は続きます。
同表彰は食料システム機構が主催し、全国の食品小売店の優れた経営を表彰。35店が各賞を受賞しました。
知立くらしのニュース2026年3月27日号に掲載


