戦争を生き抜いた知恵と願い

日高小6年 語り部に学ぶ

「戦時中のくらしについての語り部の会」が1月29日、愛知県刈谷市立日高小学校体育館で開かれ、6年生91人が地域の語り部から、戦争の記憶や当時の暮らしについて学びました。
 地域学校協働活動の一環。同校の近隣に住む80~90代の山田尭さん、柴田忠松さん、粟村正男さん、外山元之さん、沢田鶴子さん、神谷良信さん、明石文代さん、福島雅代さんが語り部として協力しました。
 児童たちは8班に分かれて車座になり、語り部の言葉を一言も逃すまいと真剣に耳を傾けていました。
 語り部からは、「防空壕に身を隠したこと」「わらぞうりや廃タイヤで作った履物で学校に通ったこと」「マムシを捕まえ、知立まで売りに行ったこと」「幼子を亡くした親が、次に生まれてくる子の健康を願って、お地蔵様を作ったこと」など、当時の生活の様子や生きるための工夫が生々しく伝えられました。
 6年生の女子児童は、「長袖が七分袖になるまで1枚のシャツを着続けたという話を聞き、私はすぐに新しいものが欲しくなるけれど、これからはもっと大切に使おうと思った」と話しました。
 語り部たちは、「当時危険なことは先輩から後輩へと伝え、子どもたちは生きる知恵を持っていた」と話し、「戦争は何一つよいことがない。将来を担う子どもたちが、戦争のない世界を築いてくれることを願っている」と、平和への思いを託していました。

【語り部の柴田忠松さんの話にじっと耳を傾ける児童たち】

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